60代男性
病名:慢性腎不全
結果:障害厚生2級(年間約150万円)
<依頼者の状況>
半年前に人工透析を開始したとのことで、障害年金の受給の可能性についてお問い合わせいただきました。
現在は透析専門の医療機関へ転院し週3回透析を行っているとのことでした。
病歴は古く、今から30年以上前に職場の健康診断で指摘を受け医療機関を受診。腎生検の結果、IgA腎症と診断されたとのことでした。しばらく通院はしたものの、当時の主治医より「治療法が無いため、食事に気を付けること」「適度な運動を心掛けるよう生活」について指導を受けました。また、将来人工透析が必要になることも説明を受けたとのことでした。
しかし、自覚症状もなく医師から言われた通り食事には気を付けていたため、日常生活及び仕事でも特に問題なく生活を送っていたとのことです。
病院を受診してから10年以上経った頃に、風邪症状でかかりつけ医へ受診した際に、腎機能の低下を指摘され、以降定期的に通院したとのことでした。
初診証明がポイントであることを説明し、当事務所にて代行サポートを進めていくこととなりました。
<受任から申請まで>
初診にあたる医療機関へ問い合わせたところ、すでにカルテは破棄され何も残っていないとのことでした。また、30年以上前とのことで、当時勤めていた職場は退職し、以前の記録も直近の健康診断結果票しか残っていませんでした。
そこで、自覚症状もなく、未受診期間も長いことから、「社会的治癒」による請求を検討し、その方針で手続きを進めていくことにしました。
初診の証明書類である受診状況等証明書、診断書も特に問題なく対応いただき、病歴就労状況等申立書のほか、社会的治癒による申立書も別途で作成し、請求いたしました。
請求からしばらくして、当事務所に日本年金機構から連絡がありました。
「今ある資料から、社会的治癒は認められない。」「30年以上前に受診した医療機関が初診日として認められる」とのことでした。
そのため、社会的治癒での請求を進めるにあたり、追加資料の提出が可能なのか、
30年以上前の医療機関を受診したことを証明する資料の提出が可能なのか、双方で検討していくこととしました。
しかし、社会的治癒での請求の場合で必要となり得る資料の入手は困難であり、30年以上前に受診した医療機関へ直接足を運びカルテの有無を確認しましたが、やはり何も残っていないとのことでした。
改めて、「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」を確認し、その中で第三者証明について説明、入手する事ができました。ただ、その第三者証明では不十分ではないか、という不安があったので、別途初診日に関する申立書を作成し、本来の初診日として変更いたしました。
<結果>
その後の返戻はなく、障害厚生年金2級の認定を受けることができました。
限られた資料でも、最後まで諦めずに請求することを再認識した事例であり、無事受給できたことが何よりもうれしく思いました。
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投稿者プロフィール
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